暴力団に襲われる夢を見た19歳の男子大学生の夢分析

 

 

11月25日 19歳男性の見た夢:「暴力団に襲われる」

 

🔸夢分析に必要なAくんの経歴(バックグラウンド)

 ・19歳男子大学生Aくん

 ・精神疾患などは全くなし

 ・中学時代には,親友であった男子に急に無視されたり,トイレで暴行を受けたことがあったりと,何度かいじめを受けていたという。

 ・この夢を見る前日に親友のいくつかの発言に強い怒りを感じており,喧嘩寸前の状態であった。その親友とは高校1年生の時からの5年の付き合いになるが,喧嘩をすることへの強い嫌悪感を持っていたため,いつも喧嘩になる前にはお互いが一歩引いて,喧嘩を免れていたらしい。その日は特に怒りも最大に達しており,寝る前に心の中で親友の嫌なところを何個もあげていたという。そんな時に見た夢である。

 ・そんな親友とは,高校1年の時に出会い,友人が少ないAくんにとっては,人気者の親友は憧れの存在でもあったということもあり,親友には少し依存状態であった。

 

 

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🔸夢の内容

 Aくんは,なぜか知らないが,出身中学校の周りを歩いていた時,急に暴力団関係の車と一目でわかるようないかつい車がこちらに猛スピードでやってきた。このとき,Aくんは強い恐怖を感じていた。自分が追っかけられているという確信は全くなかったが,気づいた時にはAくんはその車からダッシュで逃げて,出身中学校の当時駐車場であった場所に逃げ込んだ。しかし,そこは夢の中では,駐車場ではなく,地域の公民館のような建物が立っていた。夢中にその中に走り込み奥の方に隠れて避難した。公民館の中は,たくさんの人が個々に何らかの活動をしていた。案の定,暴力団関係者らしき人は,公民館の中に入ってきた。しかしその時であった。顔は見ていないが,俳優の「遠藤憲一」さんのような男性が,その暴力団関係者らに向かって,何を言っていたか定かではないが,たくさんの文句のような言葉をたくさん浴びせていたという。Aくん自身は,それを奥の方から顔だけ出して,ひたすら眺めていた。

 

 

 

 

🔸夢分析

 この夢には,Aくんの心理状態が間接的に表されている3つの大きなポイントがある(アンダーライン太文字)。それを軸にして夢分析を始めます。

 

①なぜ,登場人物が暴力団関係者なの?

 なぜ,Aくんの「夢」では,暴力団関係者が出てきたのか。別に怖い人なら,ごつくて怖いおじさんや,人によっては,お母さんだったりと暴力団関係者に限定する必要はないはずである。もちろん,暴力団関係者でなければならない明確な理由がある。暴力団関係の人に対して,Aくん含め我々一般人は,逆らうことができない。彼らは,武力行使で我々を躊躇なく痛めつけてくるからである。まさにそのままである。Aくんは,現実世界では,親友に逆らうことができなかったのである。それは,親友の存在が脅威であったからというわけでなく,「もし親友に逆らったり,文句を言って,それが大喧嘩に発展してしまったりしたら,自分の1番大事な存在である唯一の親友がいなくなってしまった時に1人ぼっちになってしまう」そんな自らの状況に対してAくんは強い恐怖を感じていたため,自分を守るために,親友に逆らうことができなかったのである。夢は,逆らえない対象を「親友」→「暴力団関係者」に敢えて変えて,現実世界のAくんの心理的SOSを表現したのである。

 

②なぜ,夢の舞台が「出身中学校」なのか。

 夢の舞台はとても重要であり,なぜ,その場所が舞台になったのか必ず理由が隠されています。では,今回なぜ舞台が「出身中学校」なのかということです。それは,夢が現実のAくんに対して,「より強い恐怖を感じて欲しかったから」だと考えられる。Aくんは中学生時代,いじめを受けており,「中学時代には一生戻りたくない」とも言っている。そんな苦い思い出の多い中学校を舞台にすることで,当時感じていた恐怖を基に,今回の夢でもより強く本格的で強い恐怖を感じて欲しかったからである。また,Aくんは,中学で親友に裏切られた経験があるため,大事な存在(親友)を失った場所で,今の親友との問題についてを描写し,昔起こったトラウマ体験と関連付けていると考えられる。

 

③なぜ,「遠藤憲一」さんのような男性が出てきたのか?

 Aくんは,「遠藤憲一さんのような男性」と表現されているため,今回は遠藤憲一さんという確証はないため,なぜ遠藤憲一さんが出てきたのか,というよりは,なぜ暴力団に文句を言い続けている男性が夢に登場しているのかの解説を行うこととします。

 夢の中では,しばしば「自分の影」を登場させることがあります。まさにAくんは,このような「暴力団関係の人に文句を言うことができる男性」,現実世界にすると,「親友に文句を言える自分」に憧れていたのでしょう。現に夢の中でもAくん自身は,そんな勇敢な男性を「奥から見ているだけ」なのです。本当は,Aくんは,「親友に文句を言いたい」という気持ちが夢の中で「自分の影」として登場させたのである。この男性の存在は,Aくんが気づいていなかった「親友に文句を言いたい自分」をAくん自身に気づかせてくれたのである。また,「男性と暴力団関係者とのやり取り」を奥から見ているその瞬間のAくんも1人であるということも非常に重要である。

 

 

 

 

まとめ

 Aくんはこの夢を見たことによって,自分の内面の葛藤を明らかにすることができた。また,Aくんが親友に依存しているという今まで気づかなかった実態を,自らの夢という形で実感することができた。夢は,自分自身の内面での悩みや葛藤を色んな形で教えてくれえる。夢分析をすることによって,自分の恥ずかしい部分を知ることになるかもしれない。しかし,そんな自分を受け入れて,初めて自分の本質が見え,幸福な人生がやってくるのではないかと思います。夢分析を希望の方は,メールにて受け付けております(応募が多い場合,全ての方の分析を行うことができないことがあります。ご了承ください。

 

夢は,「自分から自分へのメッセージ」である。

 

 

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